認知行動療法 (CBT: Cognitive Behavior Therapy) とは

認知行動療法はカウンセリング方法としてはグローバルスタンダードとなっている方法です。

アメリカやイギリスなどの医療先進国では保険会社や政府などが認知行動療法を推奨しています。 ENGLISH

行動認知療法(BCT: Behavioral and Cognitive Therapies) 若しくは認知行動療法(CBT: Cognitive Behavior Therapies)では、予測や判断、信念や価値観といったさまざまな認知的要因(認知的変数)を想定し、それらが個人の情緒や行動にどのような影響を及ぼしているかを重視しています(認知の機能)。そして、治療においては、情緒や行動に直接的に介入するだけでなく、情緒や行動に影響を及ぼしている認知的要因を積極的に治療標的として扱います。また,それらを適応的な認知へと変容していくことによって、情緒の安定や行動の修正を効果的に行っていくことを目的としています。さらに、考え方が変わることによって、気分や行動は変わるということをクライエント自身が繰り返し経験することを通して、「自分の考え方を変容していくことによって、情緒や行動をコントロールすることができる」ということを自覚できるように促していく、すなわち、認知行動療法とは、セルフコントロールの獲得をねらった治療法です。

欧米の学会によってはBCTは行動療法に重きをおいた療法、またCBTは認知に重きをおいた療法と定義しているところもありますが、日本語訳では多くの場合行動認知療法(BCT)と認知行動療法(CBT)は広義の認知療法と行動療法が融合したものであるという考え方から同義語として捉えています。認知行動療法には100以上の手法があります。

第三世代認知行動療法

アクセプタンス・コミットメント療法(ACT)、機能分析心理療法(FAP)そして弁証法的行動療法(DBT)などの、第三世代と言われる行動療法の原理が今広がりを見せています。第三世代行動療法は、認知療法と行動療法の野合からではなく、言語行動や認知についての行動分析の伝統から生まれたとされています。

行動療法 (Behavior Therapies) とは

発達障害児童への療育方法の一つであるディスクリートトライアルやソーシャルプラグマティックトレーニング(SPT)の基礎となっているのがABAです。ABAは応用行動分析(Applied Behavior Analysis)の略称で、「行動療法」とも言われ、アメリカの公立校での特別支援教育で幅広く取り入れられ公認行動療法士(BT)が担当しています。ABAの基礎になっているのは、「行動分析学」という学問ですが、スキナー(B.F.Skinner)博士らが数多くの実験によって動物や人間に共通する学習のメカニズムを解明しその基礎を築きました。行動療法は科学的に得られたエビデンスを基に人間の様々な行動の改善のために応用するものです。行動療法の応用分野は幅広く、発達障害の治療教育だけでなく、軍内新兵教育、企業の人事管理やスポーツのトレーニング法にまで広がっています。自閉症児やLDADHD、アスペルガーその他の広義の発達障害児に対する治療・教育法としては1960年代からアメリカを中心に研究・実践が行われ、早期からのトレーニングを行うことでめざましい成果を上げてきました。

行動療法の代表的な技法

行動療法は一般に「行動(学習)理論に基づいて、問題行動を適応的方向に変容させることを目標としてなされる諸技法の総称」と定義されています。代表的な技法としては下記の療法があります。

Ⅰ.曝露反応法(エクスポージャー法)
エクスポージャーとは「望ましくない反応を引き起こしている刺激状況に、その反応が生じなくなるまでさらすこと」であり、Hullの消去理論を基礎としています。用いられる刺激や、刺激の与え方により下記の分類がなされます。
現実刺激による系統的脱感作法(Systematic Desensitization in-vivo Exposure)
現実の不快刺激に直接曝露するが、その方法を段階的に強めていくことで、系統的に脱感作していく方法です。

想像による系統的脱感作法(Systematic Desensitization in Imagination)
現実の刺激ではなくイメージの中での刺激を用います。
まず不安場面における不安の強さに5~10段階の階層をつけます。
次に十分にリラックスした状態でもっとも軽度の不安場面を想像しながら、リラクゼーションを維持できるようしながら、徐々に不安場面の強度を上げていきます。
適応は単一恐怖症、心的外傷後ストレス障害などですが、まず十分なリラクゼーション法(筋弛緩法や自律訓練法など)を修得した後に行なう必要があります。
現実刺激によるフラッディング法(Flooding in-vivo Exposure)
この方法は、最初から最も強い刺激状況にさらすことを特徴とします。徐々にではなく、急激にであるためリスクも大きいのですが、治療効果が早くまた改善した場合の確実性が増すという点で有用ではあります。
想像によるフラッディングをインプロージョン(Implosion)と呼びますが、これを現実刺激の前段階として行なっておくことも有用です
逆説的志向法(Paradoxical Intension)
治したいと思っている症状を、逆に意図的に作らせる方法です。

Ⅱ.曝露反応妨害法(Exposure&Prevention)

不快刺激に曝露しつつ、不快刺激を取り除く反応を妨害するという方法です。
Ⅲ.行動強化法
曝露反応法が「慣れることにより反応を消去していく」のに対し、行動強化法は「プラスの刺激を与えることで行動を変化させていくこと」を目標とします。
トークン・エコノミー法
一定の課題を正しく遂行できたときに、あらかじめ約束した条件に従ってトークンを報酬として与え、目標とする行動(オペラント行動)を強化する技法です。

シェーピング法(形成化法)
一定の目標行動(標的行動)に至るまでの行動を段階的にスモールステップの形で設定し、順次これを遂行していくことで目標行動に近づこうとする技法です。内容的には現実刺激による系統的脱感作法に近いものがあり、トークン・エコノミー法との併用が効果的です。
Ⅳ.モデリング法
人は自分で経験しなくても、自分以外の人々の行動やその結果を観察することで、新しい行動様式を学習したり、反応パターンを変化させたりすることが可能です。発達障害などのクライアントで、日常生活の変化を期待していく場合の家族の対応や施設内での対応を考える際に重要なものとなります。
また「模倣は悪ではない」という意識を持てば、身近な人の中で理想的と思われる人の行動を観察し、模倣していくという方法での自己強化も可能となります。

行動療法には、この他に多くの療法がありますがいくつかの手法を段階的にまたはコンビネーションで使用され、治療の効果を測定するために適時心理テストを行います。

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