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佐藤先生名誉会員就任 お祝いの言葉

 佐藤正二先生,日本認知・行動療法学会 名誉会員へのご就任,誠におめでとうございます。宮崎大学でお世話になったものとして,甚だ僭越ながら,お祝いの言葉を贈らせていただきます。
 佐藤正二先生は,研究者として常に新しい知見を貪欲に求められる方でした。私の研究室や院生室に来ると,いつも「何か新しくて面白い研究はない?」と尋ねておられました。そこから,最新の研究についての深い議論が何度も繰り広げられました。また,新しく興味深い論文を見つけると,すぐにプリントアウトして,共有してくださっていました。この姿勢はいつまでも変わることはありませんでした。
 佐藤正二先生から教えていただいたことはたくさんありますが,特に印象的なのは,「実践研究は誰が実施しても同じだけ時間がかかるものだ」ということがあります(台詞は少し違いますが)。つまり,どんなに要領が良い人や,頭の切れる人でも時間をかけないと成果が得られない,だからこそ現場を大切に地道に継続して研究していかなければならないということです。実際に佐藤正二先生は,その姿勢を貫き,宮崎大学の研究チームを導いていただき,学校での社会的スキル訓練に関する研究を学会のスタンダードにまで高めていただきました。今でも実践研究をする際の私の座右の銘となっています。
 それだけでなく,佐藤正二先生は本学会の事務局長として長きにわたって学会の発展を支えてこられました。当時オンライン会議などはありませんでしたから,理事会の度に宮崎から東京へ皆様で出かけていったというお話を,今は使わなくなった当時の事務局の封筒に囲まれながら教えていただいたのを鮮明に覚えております。当時の先生方の多大なご貢献の結果が,今日の学会の存続につながっているものと改めて感謝を申し上げる次第です。
 改めまして,佐藤正二先生の名誉会員のご就任にお祝いを申し上げるとともに,長年のご尽力に心より感謝を申し上げます。末筆となりますが,佐藤正二先生のご多幸とご健勝をお祈り申し上げます。

同志社大学心理学部 石川信一

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