丹野義彦(東京大学名誉教授)
ご推挙いただき、大変光栄に存じます。
振りかえれば、2009年第35回大会(千葉幕張メッセ)の大会長を務めましたが、第9回日本認知療法学会(清水栄司大会長)との合同開催で、清水先生のお力を借りられたため、私は歴代で最も苦労しなかった大会長でした。2014年には熊野宏昭理事長のもとで社団法人化と「日本認知・行動療法学会」への改称が実施され、副理事長として法人化記念事業を担当したのも思い出です。
この10年ほどは公認心理師と認知行動療法の連携に関わってきました。2016年の公認心理師カリキュラム等検討会WTで「行動論・認知論に基づく心理療法」が大学院の必修項目となったことで、本学会に少しは貢献できたかもしれません。
しかし、課題はまだ多く残っています。第1に公認心理師が行う「認知行動療法に基づく心理支援」診療報酬化、第2に近々開催予定の公認心理師カリキュラム等検討会でエビデンスに基づく実践や科学者‐実践者モデルを定着させることなどです。今後もできるかぎり努力していければと思っております。